端午の節供
京都在住の料理研究家・小宮理実です。
新緑が香る美しい季節となりました。
きらきらと輝きを増す木々や草花。
この時期は特に成長も著しく、
毎年、自然を愛でる喜びを感じる季節です。
5月といえばこどもの日、端午の節供です。
男の子の健やかなる成長を願い、
菖蒲湯に浸かったり、
昔は菖蒲の葉や根っこを酒に浸していただいたり、
菖蒲の葉と
軒菖蒲は、今では目にすることも少なくなりましたが、
守っておられるお店もあり、
文化を守り、継承することへの心意気に触れると、
心から感謝の気持ちが溢れてきます。
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我が家では、庭先で育てた葉菖蒲と蓬を一つにまとめて、
鯉のぼりを手にした御所人形にあしらってみました。
見ているだけで、心が安らぐこのお顔。
あまりに可愛くて、ついついこちらが微笑んでしまいます。
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食べ物では、
京都には、柏餅にも「味噌あん」があります。
こしあんや、つぶあんはご存知の方も多い中、え? 味噌あん?
そうなんです! はじめて知った方は皆さん驚かれるんですよ。
お味はと言うと、甘い餡の中にほんのりお味噌の香りが。
このバランスが絶妙なんです。
私は断然、味噌あん派!
慣れ親しんでいる味わいです。
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さて、お料理のほうも「健やかなる成長」がキーワード。
すくすく育つタケノコをはじめ、
ぷっくりした姿が愛らしい空豆など、
天に向かって大きく育つ、時節のお野菜を使います。
今回は、タケノコごはんに、高野豆腐と空豆をやさしく煮含めてみました。
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その他、節供飾りの兜にちなんで、旬でもある「鯛のかぶと煮」を。
鯛の
人の頭に立つような、立派な人に育ってくださいね、と願いを込めています。
鯛はめでたいの語呂あわせからも、愛され続けている魚。
京都では、わざわざ「さん」を付けて、お鯛さんと呼んで親しまれています。
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そして、やさしい味わいの西京味噌を使った
豆腐と三つ葉のお味噌汁でほっこりと。
自然の恵みで邪気を祓い、
こどもたちの成長を願いましょう!
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京都から、愛をこめて。「お味噌ふくふく便り」でした。
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料理研究家 小宮理実(こみやりみ)
料理研究家。おせち料理の専門家として、新聞・テレビ・ラジオへ多数出演。京都で料理教室「福千鳥」(会員制)を主宰。おせち料理や節句の食など、日本文化や季節感を大切にした行事食を伝える活動を行う。
1971年・京都室町生まれ。
2018年11月30日、小宮真由から小宮理実(こみやりみ)に活動名を改名しました。