小宮理実のお味噌ふくふく便り

初夏を愉しむ

2018.05.01

京都在住の料理研究家・小宮真由です。

日増しに暖かくなり、流れる風も心地よい
本当にいい季節となりました。

空を見あげると抜けるような青空が広がり
あまりの美しさに吸い込まれるような感覚に……。

育ち始めた草花も、いきいきとしています。
そう、この季節はすべてが喜びに満ち溢れているかのようです。
四季があるからこそ、味わえる楽しみ。
そう思わずにいられません。

早いもので、暦の上ではもうすぐ立夏。
自然も着々と夏を迎える支度を進めています。

今年は特に暑い夏になるとお聞きしました。
涼む工夫を今から考えて、備えておきたいと……。
そこで、おいしい癒しを考えてみることに。

ひらめいたのが、西京味噌を使った京都らしいアイスクリーム!
お味噌を加えたアイスクリームってどんなお味に仕上がるのかなぁ。
ワクワクしながら試作を重ね、つくってみました。
そして、ついに出来上がりましたよ。

少々濃厚に仕上げたいことから、牛乳は使わず、
乳製品は生クリームのみ。
美山の平飼い卵と、砂糖、そしてお味の決め手は西京味噌。
つくり方も極めて簡単、シンプルがよろしいかと。

シャカシャカ……(カクハンしている音)。
卵を割り、よく混ぜながら、砂糖を2度に分けて加えます。
白っぽくなってきたら、次の作業へ。
おいしい生クリームも泡立てておきましょう。

このときに生クリームを少しだけ、別容器へ分けておきます。
そこへ用意しておいた西京味噌を加え、よく溶いておきましょう。

卵と砂糖を混ぜたもの、泡立てた生クリーム、溶いた西京味噌、この3つをひとつにまとめ、さっくりと混ぜて、
とろっとした状態にします(混ぜすぎに注意、さっくりとね)。
あとは、保存容器へ流し込んで、冷凍庫で冷やすのみ。

3〜5時間もすれば、手づくりアイスクリームの完成です。
西京味噌のほのかな塩味がアイスクリームの甘さを引き締めます。
ステンレスのスプーンですくって、こんもりと盛ってみてください。
そう、こんもりですよ。
家庭でつくるアイスクリームは、
ざっくりした感じが似合うと思うんです。
おいしそう〜って、思わず声が出る感じね。

せっかくなので、アイスクリームに名前をつけることに。
何がいいかなぁ……。
そうだ「ふくふくアイスクリーム」はいかがでしょう?
コラムのタイトルも「ふくふく」、みんなもふくふく、すべてがふくふく。
運もふくらむ感じがしますでしょ。

そして、うつわ選びも楽しみのひとつ。
青空を飛び交う鳥たちへ想いを馳せて
両端に小鳥がついた染付の小鉢へよそってみました。
この季節に似合う感じがして…… 楽しい。

こうして、料理とうつわの組み合わせを考えることも、
ふくふく時間です。

今年の夏は西京味噌のアイスクリームで決まり。
素敵な時間をお過ごしくださいますように……。

京都からお味噌ふくふく便りでした。

料理研究家 小宮理実(こみやりみ)

料理研究家。おせち料理の専門家として、新聞・テレビ・ラジオへ多数出演。京都で料理教室「福千鳥」(会員制)を主宰。おせち料理や節句の食など、日本文化や季節感を大切にした行事食を伝える活動を行う。
1971年・京都室町生まれ。
2018年11月30日、小宮真由から小宮理実(こみやりみ)に活動名を改名しました。

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